ウクライナ東部の砲兵陣地の乗組員は、弾薬庫に33発の砲弾を壁際の薪のようにきちんと積み上げていた。そして発砲命令が下った。20分後、榴弾砲の周りに煙が漂い、17発の砲弾がなくなった。乗組員の弾薬の半分以上だ。急速に弾が減った山は、ロシア軍の攻撃が続く中でも、ウクライナの砲弾の供給が減りつつあることを象徴している。「砲兵が戦いを決める」と、この戦線の砲兵指揮官であるウラディスラフ・スロミンスキー大尉は語った。「より多く勝つのは誰か」。今のところ、それはロシアだ。米国議会で新たな軍事・財政支援をめぐる審議が何カ月も遅れた後、ウクライナ兵は一部の兵器用の最後の弾薬に手を伸ばしている。行き詰まりが打開される兆しがある。マイク・ジョンソン下院議長が今週、この法案を採決にかけるための条件を提示し、多くの保守派共和党議員の反対にもかかわらず可決される見込みだ。弾薬不足は、ウクライナがウクライナ東部の600マイルの前線で守勢に立たされ、掩蔽壕、塹壕、地雷原などの追加の要塞を建設しているときに起きる。防衛要塞が完成し、ロシアの攻勢が今夏始まると予想されるまで、防衛線を維持するには砲弾が必要だ。ロシアは戦争中ずっと砲兵の優位を保ってきたが、昨年は一時その優位が薄れた。推定値はさまざまだが、アナリストやウクライナ当局者によると、ロシアは現在、ウクライナの少なくとも5倍の砲弾を発射している。「弾薬なしで戦うことは期待できない」とスウェーデン防衛研究局の軍事アナリスト、ヨハン・ノーバーグ氏は電話インタビューで語った。「それが基本的な点だ」。ウクライナへの最大の弾薬供給国は、最新の軍事支援が議会で行き詰まるまで米国だった。下院情報委員会の委員長を務めるオハイオ州の共和党議員マイク・ターナー氏は週末、CBSニュースに対し、米軍と情報当局はウクライナが長く持ちこたえることはできないと明言したと語った。